ビッグアップル:オフィスの選択肢を理解する

論説はすべてBert RosenblattとAndrew Steinの共著です。

ニューヨーク市内を歩いてみれば、すぐに実感するでしょう。小売店はそれぞれの個性を主張していること、建築が突如として姿を変えること、そして人々が様々なオーラを放っていることを。これこそマンハッタンの魅力です。10ブロック進めば、突如として新しい経験に遭遇するのです。

オフィス・スペースについても同じことが言えます。ニューヨーク市にオフィスを開設すると決めたなら、最初に必要となるのは、あなたのNYCは他の誰のNYCともまったく無関係である点を理解することです。ロンドン屈指のヘッジファンドで、マンハッタン進出を試みたいなら、おそらくはプラザ・ディストリクトで1平方フィート当たり80ドル~200ドルを支払うことになるでしょう。他方、パルアルトの新進気鋭のテクノロジー企業で、ニューヨーク市の躍進目覚ましいテック・シーンの一角を占めたいなら、おそらくプラザ・ディストリクトとその超高額の賃料を避けてユニオン・スクエアに直行すべきです。

したがって、マンハッタンでオフィス開設という任務を担った際に自覚すべきことは、ニューヨーク市の別称であるビッグアップルとは実は多数のリンゴであり、最も重要なリンゴは、自分にとって明らかに道理にかなったものなのです。それでは、オフィスの観点からマンハッタンの主要区域の概要とその各区域についての洞察を紹介しましょう。

プラザ・ディストリクト(Plaza District):

これは、セントラルパークの真南の、東は3番街まで、西は7番街までの地区です。プラザ・ディストリクトの最高位に君臨するのは、9 West 57th StreetとGeneral Motors buildingの2物件です。この2つは通常、ニューヨークでも最も高価な2件の建物で、セントラルパークの眺めは壮観です。入居企業は金融サービス、ヘッジファンド、大企業の本社である傾向が強く、賃料は非常に高く臆病者向きではありません。パーク・アベニューの45丁目から57丁目までは、別名ヘッジファンド・アレーとして知られ、今年の「マスターズ・オブ・ユニバース(世界の覇者)」にばったり出くわす可能性の高い場所としてSeagram’s Building、Lever House、450 Parkなどの象徴的な建造物が連立しています。

ウォール・ストリート(Wall Street):

マンハッタンの南端は、プラザ・ディストリクトとは対局をなす位置付けにあります。まさかと思うでしょうが、マンハッタンで一番安い賃料を探し求めるなら、それはダウンタウンで見つかります。ウォール・ストリートは、フルトン・ストリート以南の両河川に挟まれた地区としてしばしば定義され、多数の法律事務所、貿易会社、非営利団体が本拠を構えています。ここが、1平方フィート当たり25ドル~50ドル、すなわちミッドタウンの同程度のスペースの約半分のコストで、しばしば良い眺め付きの適切なスペースが見つかる場所なのです。価格に加え、ダウンタウンのまた一つの大きな長所は、交通の便です。ほぼすべての地下鉄の路線がダウンタウンに乗り入れ、ブルックリンからは交通至便、さらに他区からの通勤バスの停留所も必ずあるうえ、1 World Trade Centerに新設された乗換えターミナルも開通したあかつきには象徴的存在となるでしょう。

ユニオン・スクエア(Union Square):

General Assemblyが902 Broadwayにオフィスを開設した時、それはあたかもユニオン・スクエアに旗を立て、そこをニューヨーク市のテクノロジー業界の震源地であると宣告したかのようでした。テクノロジー企業が大小を問わずユニオン・スクエアに 群がるようになったのです。ここを拠点とする企業は、ヤングでヒップでスマートです。ユニオン・スクエアはさらに、マンハッタン中で最低の空き室率を誇ります。賃料は、ストリートに面した(すなわちアベニューに面していない)より古くより小さい建物であれば、1平方フィート当たり30ドルを割ることもあります。しかし、ブロードウェイやパーク・アベニュー・サウスの格上の建物であれば、1平方フィート当たり40ドル~50ドル、またはそれ以上を支払う覚悟が必要です。この地区に見られるスペースは、転換されたロフトや旧い製造施設です。この辺りのレストランはとにかくおしゃれで、「ビューティフルな」人たちで賑わっています。

グランドセントラル(Grand Central):

ウエストチェスターやコネチカットに在住する人は、メトロ・ノース線の電車に乗ってグランドセントラル駅に降り立ちます。自分のオフィスが駅から徒歩で至近距離にあれば、好都合だと思いませんか?そう、この点こそ、東西は3番街と5番街、南北は40丁目と45丁目に囲まれた四角いエリアにオフィスを構える企業が非常に多い理由なのです。

グランドセントラル駅の内部および周辺の建物は、自慢になる高級建物からストリート沿いの粗末な建物まで、ならびにその間のありとあらゆる物件と、広範囲にわたります。また、グランドセントラル駅にトンネルを通して直接アクセスできる建物が数件あります。つまり、自分のデスクと電車の間で濡れたり凍えたりせずに、Lincoln Building、Chain Building、317 Madison、230 Park、Graybar Buildingへの通勤を楽しめることを意味します。いずれも盤石なクラスA建物で、小規模企業が多数入居しています。は、この地区で質がより高く賃料もより高い建物としては、Chrysler Buildingや450 Lexingtonなど挙げられます。グランドセントラル駅の真上の200 Parkでは、高層階に上るほど2つの河川、自由の女神、セントラルパークの眺めが素晴らしくなります。

ペン・プラザ(Penn Plaza)/タイムズスクエア(Times Square):

ニュージャージーかロングアイランドに在住し、ペンシルベニア駅かポート・オーソリティ・バスターミナルを利用する人には、この両ターミナルの近辺に存在する幾つかのクラスA建物があります。34丁目の1 Penn Plazaはペンシルベニア駅周辺では最高の建物で、また、タイムズスクエアにあるニューヨークタイムズ紙の新社屋もそれに勝りとも劣りません。賃料は、1平方フィート当たり50ドル~100ドルの範囲です。しかし、ペン・プラザとタイムズスクエアの活力の源泉はその南端近くにあります。この辺りはニューヨークの元祖「ガーメント・ディストリクト(アパレル地区)で、一握りのクラスA建物以外は現在、夥しい数のアパレル企業、製造会社、非営利団体、格安小売業者の根城となっています。

ハドソン・スクエア(Hudson Square):

マンハッタンのウエストサイド、トライベッカの北側に位置するこの地区は、とびきりヒップなエリアとして出現しました。南端のカナル・ストリートから北端のハウストン・ストリートまでのこの地域には、かつては広くて安い工業スペースを必要とした印刷会社が集まっていました。しかし、ニューヨークのジェントリフィケーションが進むにつれて、この地区の印刷会社はほぼ消滅し、メディア会社や高級ファッションブランドに取って代わられました。建物は、高い天井、大きな窓、クールなインダストリアル的感覚に特徴付けられます。典型的な賃料は1平方フィート当たり35~45ドルです。周囲には市内でも最高に今風なナイトクラブやレストランが幾つか軒を連ねています。

ニューヨーク市は、米国の他の都市にはない颯爽としたビジネス環境を、そして驚くほど広範囲にわたる選り取り見取りのオフィス・スペースを提供します。したがって、ビッグアップルを上手にひとかじりするには、情報に精通していることがきわめて重要です。